さよなら私の愛した君

頼まれたわけではないけど、

いなくなった人を見ない、追わないことが残った人への愛情の示し方だと思ってた。

 

私の好きなものを捨てた人を、許せなかった。

だからそれを追いかけないことが愛の示し方だと思った。

 

だから目に入らないように徹底的に避けてた。

 

だってもしも私が愛した時より

輝いていたら?

全然別人になっていたら?

どうしたらいいの?

愛した時間を否定されたような気がちゃう。

(もちろんそんなことはないんだとわかってはいるんだけど)

 

好きだったから、恨みたくなんかなかった嫌いになんてなりたくなかった。

でも、恨まずにはいられなかった。自分の愛したものを否定された気がして、好きだった彼らに刃を向けて自分の好きなものを否定されないように必死に守ってるつもりだった。

傷つきたくなかったから。

最低だよね、本当に勝手。

 

でも、本当に避けることが当たり前だったのにたまたま全然違う方面からふとした拍子に目に飛び込んできた彼をみたら

変わってなくて、

何故だか泣きそうになった。

 

 

最近いろんなことがあって何度も言われた

アイドルなんて作られたものなんだからファンに本当の彼らなんてわからない

にやっと私の中で答えが出た気がした。

 

やっぱりそんなことないよ。

もちろん知らない面もたくさんあるけど

全部なんてしらないけど

それでも私がみていた面だって彼の一部だよ。

 

何年越しかの彼は、私の知ってる彼だった。

きっと変わったことだってあるし、前より輝いてもいたけど。

 

でも、私が愛した何年かは間違ってなかった。

そのことを、自分勝手に避けて恨んでた彼に教わるなんて。

 

傷跡は今でも残ってるし、トラウマだってたくさんあるけど、やっと君のこと好き「だった」って言える。

やっと大好きだった君とさよならできる。

 

好きだった君へ

幸せ?

やりたかったことできてる?

もっともっと幸せになってね。

いろんなことに負けずに輝いていてね。

今まで上手にさよならできなくてごめんね。

さようなら。