しげくんにさよならする話ー融和編ー
そして2016年。シゲくんの処女作『ピンクとグレー』の映画化、『傘を持たない蟻たちは』のドラマ化が決定した。
本は自分で手に取らなければ目に入ってこないが、映画・ドラマとなるとそうはいかない。
ならば、メディアのフィルターがかかった情報を入れる前に自分で情報を手に入れよう。
そう思い立ち、本を出版しても手に取らないぞという誓いは呆気なくやぶれる。
(オタクとはそういうものである)
ドラマ化、映画化のために再編成された物語ではなくシゲくんが綴った物語を読むために本を購入し、1日とかからず読み終えることができた。
私の知ってるしげくんの文章だった。序盤から読者を引き込んで話さず、飽きさせない。ページを次へ次へめくる手がとまらない。
私の知ってるしげくんは死んだと思っていた。だけど違ったんだ、しげくんでもシゲくんでも加藤成亮でも加藤シゲアキでも同じ人間だったんだ。
そんな簡単なことをなぜ忘れていたのだろうか。その時、私の中のしげくんとシゲくんが融和したのを感じた。
そして今日も私はシゲくんの文に恋をするのだ。